自宅で手軽にできる歯のホワイトニングの方法について、歯科衛生士が解説します。
歯を白くする方法としては大きく2つの方法があります。それは
- 自分でできるホワイトニング=汚れ・くすみを取る
- 歯科でのホワイトニング=白くする
です。
自分でできるホワイトニングと歯科でのホワイトニングでは決定的な違いがあります。
それは、
- 歯を白くする方法が違う
- 歯のどの部分を白くするかが違う
ということです。
ホワイトニングを正しく理解するためには、まず歯の構造をきちんと理解する必要があります。
歯は外側がエナメル質、内側が象牙質という構造になっています。エナメル質は無色透明で、象牙質はやや黄色がかった白です。外側のエナメル質が無色透明なので、基本的に歯の色というのは内側の象牙質の色なんです。
このことを押さえた上で、まずは自分でできるホワイトニングについてです。
自分でできるホワイトニングの基本は毎日の歯磨きです。
歯の外側のエナメル質は本来無色透明ですが、毎日のお食事によって汚れや色素が付着してしまいます。ショーウィンドのガラスが汚れていたら中の商品がきれいに見えないのと一緒で、エナメル質が汚れていれば歯は白くみませんね。
ですから歯磨きをしてエナメル質をきれいにする必要があるのです。
エナメル質をきれいにするのに有効なのが歯磨き剤です。ペースト状のもの、ジェル状のもの、パウダー状のものなど様々なものがありますが、丁寧なブラッシングと共に歯についた汚れや着色を除去する能力に優れた歯磨き剤を使うことで、エナメル質をきれいにできます。
歯磨き剤を使ってエナメル質をきれいにするというのが自分でできるホワイトニングです。
続いて歯科でのホワイトニングです。
歯科でのホワイトニングが白くするのは象牙質です。象牙質はやや黄色がかった白色ですが、黄色がかった程度は個人差があります。この歯本来の色を漂白という方法で白くするのが歯科でのホワイトニングです。
漂白にはホワイトニング剤という薬剤が使われます。
具体的には過酸化水素や過酸化尿素です。これらはホワイトニング以外にも漂白や殺菌などに使われており、ホワイトニング剤として歯に塗布すると浸透し象牙質を漂白し白くします。
薬剤によって象牙質を漂白するというのが歯科でのホワイトニングです。
ちなみに日本ではこうした象牙質を漂白するホワイトニング剤が入った歯磨き剤などの製品は一般に販売することは禁じられています。過酸化水素や過酸化尿素は多くの割合で知覚過敏を引き起こすリスクがあります。専門知識のない方が誤った使い方をすることは健康被害につながる恐れがあるので、法律で禁止されているのです。
個人輸入などで海外のホワイトニング剤を手に入れることができたりもしますが、リスクもあることを十分に認識してほしいと思います。
薬剤を使用するホワイトニングでは、専門知識の持った歯科医師・歯科衛生士の元で、安全にホワイトニングを行うことをオススメします。
自分でできるホワイトニングと歯科でのホワイトニングの違いをしっかりと理解して、自分にあったホワイトニングに取り組んでくださいね。